田舎暮らし

田舎暮らしを考えている方へ田舎暮らしの現実を紹介します。

田舎だけ?の常識

募金

田舎では、歳末助け合いの募金が強制的に集められます。
募金とは本来、自主的に寄付をすることだと思うのですが、田舎では違います。
地域の担当者が各家庭を一軒一軒すべて回り、寄付を集めます。
金額も幾ら以上と決まっています。
これはもう募金とは言えないと思うのですが・・・・


田舎では一軒一軒回るのには理由があります。
都会なら、駅やスーパーなど人が大勢集まる場所で募金活動をすれば募金をしてくれる人が沢山いるでしょう。
ところが田舎の場合、大勢の人が集まる場所がありません。というか集まっても人数がしれています。
ですから、田舎では街頭募金がありません。やっても意味が無いのです。


そこで田舎では一軒一軒回らないと募金など集まらないのです。
でも、ほとんど強制的な募金などする人がいるのでしょうか?
都会ならほとんどいないでしょうね。


ところが田舎の場合はほとんどの人が募金します。しかも、指定された金額を。
なぜ?
田舎の人はみんな心優しいのか?
それもありますが、実はもっと現実的な理由があるのです。


募金を集めて回るのはその年に担当となった、その地域の住民です。
このような役は1年とか2年ごとに交代します。
人数の少ない地域では、何らかの役をやらなければなりません。
当然、このような募金を集める役も何年かに一度は誰もがやる事になるのです。


もうお判りでしょう?
もし、「そんな強制的な募金なんかできるか!」と言って断ったらどうなるか・・・・
数年後、自分が募金を集める役になった時どうなるか・・・・


勿論、これがすべての理由ではありません。田舎には困っている人を助けてあげようと思う、心優しい人が多いのが一番の理由なのですが。


ちなみに田舎では様々な募金や寄付金の依頼があります。
前記の歳末助け合い以外にも、神社への寄付(祭りの前になると集めて回ります。しかも神社はいくつもあるので年3、4回は、回ります)、お寺の修理の寄付(台風でお寺の屋根が壊れたりすると、その修理費用の寄付があります。ただし、お寺の場合は門徒でなければ大丈夫です)、夏祭りの寄付、他にも地域で行う行事など、田舎では事あるごとに寄付がまわってきます。


屋号

田舎には「屋号」があります。
屋号というと、歌舞伎俳優の家の称号を思うかもしれませんが、もちろん、田舎の人がみんな歌舞伎俳優のわけはありません。
「本家」「上手」「門屋」「新屋」など家の数だけ屋号があります。
屋号の歴史など専門的な事はわかりませんが、今現在でも屋号は使われています。


私の個人的な考えですが、田舎というのはひとつの集落に親戚がそれぞれ家を建てて住んでいることが多くあります。
そうなると同じ苗字の家が何件もあるわけです。
集落に大半が同じ苗字だったり、集落内に3つの苗字しかなかったり・・・・
このような現象がおこります。
そうなると「鈴木さんの奥さん・・・」とか「佐藤さんのところの一郎君・・・・」では誰なのかわかりません。
そこで、屋号を使えば「本家の奥さん」「門屋の一郎君」と言えばすぐ誰かが特定できるのです。
これが田舎では今でも屋号を使っている理由だと、私は思っているのですが・・・・・。


餅まき

田舎ではおめでたい時などに「餅まき」をします。
一番多いのは家を新築した時です。
家が完成した時ではなく、上棟式の時に建築主や大工の棟梁など関係者が屋根の上に上がって餅をまき、近所の人がそれを拾います。
昔は、紅白の餅をそのまままいていましたが、現在では小さな餅やお菓子、五円玉などをビニール袋に入れたものをまきます。
節分の時に芸能人などは、豆まきをする映像が流れますが、あれと同じ感じです。


また、田舎では神社の祭りや地域のイベントなどでも餅まきをすることがあります。
老若男女が大騒ぎで餅を拾う光景は、にぎやかで見ていてもおもしろいものがあります。
もっとも見るよりも参加する方がずっと楽しくて、我を忘れて夢中になれる時でもあります。


番地

田舎だけではないかもしれませんし、田舎でも違うところもあると思うのですが、私の田舎では番地が変です。(笑)
普通、番地は数字だけですが、私の田舎では数字の前に「イ」や「ロ」といったカタカナが付きます。
例えば「イ100番地」といった風です。
○○市○○ ○丁目○番地ではなく、○○市○○ イ100番地です。


子供の頃はこれが普通だと思っていたのですが、就職で都会に出て、この住所を書くとみんなに変だと言われ、初めて気が付きました。